初心者向け / ブレンドガイド
ホーソンベリー(hawthorn berry/和名セイヨウサンザシ)とはどんな実なのか、どんな味か、ヨーロッパでどう用いられてきたか、研究で何が調べられ何が分かっていないのか、服薬中の方が気をつけたい飲み合わせ、95℃・7分という淹れ方の目安を整理しました。
ホーソンベリーは味が穏やかなので、ほかのハーブを受け止める「土台」役として使いやすい果実です。図鑑で相性がよいとしているのは次の4種です。
| 合わせるハーブ | 仕上がりの方向 |
|---|---|
| 🌺ハイビスカス | 鮮やかな酸味と赤い色が加わり、華やかな赤い実のブレンドに |
| 🫐ローズヒップ | 甘酸っぱさが重なり、ベリーづくしの一杯に |
| 🫙シナモン | 甘いスパイスの香りが、フルーティーな味わいを温かくまとめます |
| 🫙ジンジャー | ピリッとしたスパイシーさが、穏やかな酸味にアクセントを添えます |
ホーソン&ハイビスカス(赤い実のブレンド) 🫐ホーソンベリー ティースプーン1杯+ハイビスカス ティースプーン1/2杯を、95℃のお湯200mlで7分。ハイビスカスは酸味が強いので、ホーソンより少なめにするのがコツです。酸っぱさの調整はハイビスカスティーの酸味を愉しむが参考になります。
ホーソン&ローズヒップ(ベリーづくし) ホーソンベリーとローズヒップを同量ずつ。どちらも実なので、つぶしてから長めに蒸らすと味がまとまります。ローズヒップの淹れ方はローズヒップティーの飲み方ガイド、ハイビスカスとどちらを合わせるか迷ったらローズヒップとハイビスカスの違いへ。
ホーソン&シナモン・ジンジャー(秋冬のスパイスベリー) ホーソンベリー ティースプーン1杯に、シナモンスティックのかけら少量と、ジンジャーをひとつまみ。秋冬のティータイムに向く、温かみのある香りの一杯です。シナモンは種類によって含まれる成分が違うため、毎日飲むならシナモンティーとはで選び方を確認しておくと安心です。寒い季節に選ばれるほかのブレンドは体を温めるハーブティーブレンドレシピにもまとめています。
ブレンドするときは、合わせるハーブそれぞれの注意事項も確認してください。たとえばハイビスカスやジンジャーの図鑑ページにも、服薬中の方や体質に関する注意が書かれています。配合の考え方そのものを知りたい方はハーブティーのブレンド方法へ。
ヨーロッパなどに分布するバラ科サンザシ属の低木、セイヨウサンザシの実です。英名は hawthorn berry。イギリスでは生け垣の代表的な樹木で、春に白い花、秋に赤い実をつけます。ティーには乾燥させた実を使います。
同じサンザシ属の仲間ですが、種としては別のものです。名前が似ているため混同されやすいので、ティー用には「ホーソンベリー」「hawthorn」と表示されたものを選ぶと確実です。
ほんのり甘酸っぱく、りんごやベリーを思わせるフルーティーな味わいです。酸味はハイビスカスやローズヒップより穏やかで、渋みや苦みもほとんどありません。カフェインは含まれません。
心臓や循環器に関わる用途について研究が行われてきましたが、NCCIHは多くの用途で質の高い根拠が乏しく、心臓に関わる研究でも結果が一致していないと整理しています。ハーブティーは食品であり、医薬品のような効能をうたうものではありません。
あります。心臓や血圧に関わるお薬を服用中の方は、相互作用の可能性があるため、飲む前に必ず医師・薬剤師にご相談ください。そのほか常用しているお薬がある方も、お薬手帳を持って薬剤師に確認すると確実です。
心臓や血圧に関わるお薬を服用中の方、心臓や循環器の持病で通院中の方、妊娠中・授乳中の方は、飲む前に医師にご相談ください。バラ科の植物にアレルギーのある方も注意が必要です。
NCCIHは、妊娠中・授乳中の安全性については分かっていることが少ないとしています。飲む前に、かかりつけの医師にご相談ください。
実を軽くつぶしてから淹れ、ふたをして7分しっかり蒸らしてみてください。それでも物足りなければ、ハイビスカスやローズヒップを少し加えると、酸味と香りが補われてまとまります。
ホーソンベリーティーについて、確かに言えることを整理しました。
次の一歩としては、産地や季節ごとの楽しみ方、選び方・保存方法を知りたいならホーソンベリー完全ガイド、ハーブそのものの基本情報は🫐ホーソンベリーの図鑑ページへ。同じ型で研究の現状と注意点を整理したシナモンティーとはもあわせてどうぞ。
自分に合うハーブの傾向から選びたい方は体質診断を受けてみるところから、ほかのハーブも幅広く見比べたい方は122種のハーブ図鑑から始めてみてください。
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本文で触れた伝統的な使われ方と研究の状況は、上記の情報に記載されている範囲を引いたものです。特定の効能を示す臨床データとして挙げているものではありません。
なお、ハーブティーは食品であり医薬品ではありません。体調に不安がある場合、通院中・服薬中の場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
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ハーブティーブレンド完全ガイドを見る →ホーソンベリーについて調べると、ハーブそのものが体に何かをしてくれるかのような書き方をよく見かけます。ただ、ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。このページでも、医薬品のような効能をうたうことはしません。
先に結論を書いておきます。ホーソンベリーは、穏やかな甘酸っぱさが楽しめる、飲みやすい果実のハーブです。一方で、ヨーロッパでは長く心臓まわりの用途と結びつけて語られてきた植物でもあり、そのぶんお薬との飲み合わせには、ほかの果実系ハーブより一段気を配る必要があります。このページでいちばん伝えたいのはこの点です。
そのうえで、事実として確かめられることだけを、次の4点に整理しました。
| 知りたいこと | このページで扱う内容 |
|---|---|
| ホーソンベリーとは何か | 和名セイヨウサンザシ、日本や中国の「サンザシ」との関係、どんな味か |
| どう用いられてきたのか | ヨーロッパでの伝統的な用いられ方と、研究で何が調べられ、何が分かっていないのか |
| 誰が気をつけるべきか | 飲み合わせ(とくに心臓や血圧に関わるお薬)と、飲む前に医師・薬剤師に確認したい方 |
| どう淹れて、何と合わせるか | 95℃・7分という目安と、相性のよいハーブ |
ホーソンベリーの産地や季節ごとの楽しみ方、選び方・保存方法はホーソンベリー完全ガイドにまとめてあります。このページは「何が分かっているか」と「注意点」に絞って扱います。
「hawthorn berry」を日本語にすると、セイヨウサンザシの実です。🫐ホーソンベリー(学名 Crataegus monogyna など)は、ヨーロッパ・北アフリカ・西アジアに広く分布するバラ科サンザシ属の低木で、枝にとげを持ちます。英名の hawthorn は「垣根のとげ」を意味する古い英語に由来するといわれ、その名のとおりイギリスでは生け垣(ヘッジロウ)の代表的な樹木です。
春に白い花を咲かせることから「メイフラワー(五月の花)」とも呼ばれ、秋になると小さな赤い実をつけます。ティーに使うのは、この実を乾燥させたものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和名 | セイヨウサンザシ |
| 英名 | Hawthorn(実は Hawthorn Berry) |
| 学名 | Crataegus monogyna など |
| 科名 | バラ科サンザシ属 |
| ティーに使う部位 | 乾燥させた果実 |
| カフェイン | 含まれない |
日本でサンザシと呼ばれる植物や、中国で「山楂(さんざし)」としてお菓子やドリンクに使われる実は、ホーソンベリーと同じサンザシ属の仲間ですが、種としては別のものです。名前が似ているため同じものとして紹介されることがありますが、購入するときは「ホーソンベリー」「hawthorn」と表示されたティー用のものを選ぶと確実です。
ホーソンベリーティーは、ほんのり甘酸っぱく、りんごやベリーを思わせるフルーティーな香りが基本線です。酸味はハイビスカスやローズヒップよりずっと穏やかで、渋みや苦みもほとんど感じません。図鑑では味わいの強さを5段階中2としており、ハーブティーに慣れていない方にも飲みやすい部類です。
そのぶん、単体だと「味が薄い」と感じる方もいます。物足りないときは、蒸らし時間を守る、実を軽くつぶしてから淹れる、酸味や香りのあるハーブと合わせる、といった調整が向いています(後述)。カフェインを含まないので、時間帯を問わず選びやすい一杯です。カフェインを避けたい方の飲みもの選び全般はカフェインフリーのお茶完全ガイドにまとめています。
ホーソンは、ヨーロッパでは長い歴史を持つ植物です。米国の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、ホーソンが歴史的に心臓や消化、血のめぐり、腎臓・膀胱に関わる用途に用いられてきたと紹介しています。イギリスでは5月に白い花を咲かせることから「メイ」とも呼ばれ、5月の祭りや生け垣を通して暮らしに根づいてきました。実はジャムやコーディアルにも使われ、食べものとしての付き合いも長い植物です。
また、欧州医薬品庁(EMA)のハーブ医薬品委員会(HMPC)は、サンザシ属の葉と花(Crataegi folium cum flore)について、伝統的な使用にもとづくモノグラフをまとめています。ただし、これはEUで医薬品として扱う場合の評価文書で、対象も実ではなく葉と花です。日本で食品として売られているホーソンベリーティーの効能を示すものではありません。
ここで押さえておきたいのは、「伝統的にこう用いられてきた」という話と、「ティーを飲むとそうなる」という話は別だ、という点です。伝統的な用いられ方は、その植物が人々にどう大切にされてきたかを知る手がかりとして読むのが正確です。
「ホーソンベリーの効果」を調べると、心臓や血圧にまつわる話が多く出てきます。これは、ホーソンが心臓や循環器に関わる用途について研究が行われてきた植物だからです。ただ、その研究から何が言えるのかを整理すると、印象はかなり変わります。
NCCIHの解説を要約すると、次のとおりです。
つまり「ホーソンの研究がある」という話は、そのまま「ホーソンベリーティーを飲むと心臓や血圧によい」という意味にはなりません。研究の多くはエキスなどの製品を用いたもので、ティーとして飲む場合とも条件が異なります。ティーとしては、甘酸っぱい果実の味を楽しむ食品として付き合うのが正直な位置づけです。
もし心臓や血圧について気になることがある場合は、ハーブティーで何とかしようとせず、まず医師にご相談ください。
「ホーソンベリーの飲み合わせ」「禁忌」が検索されるのは、もっともなことです。ホーソンは、このサイトで扱う果実系ハーブのなかでも、お薬との組み合わせに特に注意したいハーブのひとつです。
なお、飲み合わせの判断を「ティーなら量が少ないから大丈夫」と自分で決めてしまうのは避けてください。判断できるのは、あなたのお薬と状態を把握している専門家だけです。
NCCIHは、ホーソンを使った人にみられることのある好ましくない反応として、めまい、吐き気、嘔吐、下痢、筋肉の痛みを挙げています。また、16週間を超えて使った場合の安全性を確かめた研究はない、としています。これらは主に研究で使われた製品についての記載で、ティーに限った話ではありませんが、飲んだあとにいつもと違う感覚があれば無理に続けず、気になるときは医師・薬剤師にご相談ください。
NCCIHは、メキシコ産のサンザシの仲間(テホコテ)の根として売られていたサプリメントの一部から、有毒な植物(キョウチクトウの仲間)が見つかったとして、米国食品医薬品局(FDA)が注意を呼びかけたことを紹介しています。ティーにする場合も、食品として販売されている「ティー用」「ハーブティー」と明記された乾燥果実を選び、出どころの分からない製品や、減量などをうたうサプリメントは避けるのが安心です。
いずれも「飲んではいけない」と断定するものではなく、自己判断で始めないほうがよいという趣旨です。上記に当てはまらない方にとっては、ヨーロッパで食べものとしても親しまれてきた果実です。過度に身構える必要はありませんが、迷ったら一言確認してから、という姿勢で付き合ってください。
ホーソンベリーで押さえるべきは、実が硬いので、抽出に時間をかけるという一点です。本サイトの図鑑では、次の分量を目安にしています。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 湯温 | 95℃ |
| 茶葉(乾燥果実) | ティースプーン1杯(約3g) |
| お湯の量 | 200ml |
| 蒸らし時間 | 7分 |
蒸らし時間や温度の考え方をほかのハーブと比べたい方は、ハーブティーの温度と蒸らし時間ガイドもあわせてどうぞ。
ハーブティーは食品であり、一日の摂取基準が公的に定められているものではありません。ホーソンベリーは飲み合わせに気を配りたいハーブでもあるため、はじめは1日1杯程度から、自分の体調を見ながら楽しむのが無理のない始め方です。「たくさん飲むほどよい」という飲みものではありません。気になることがあれば、量を増やす前に医師・薬剤師にご相談ください。