初心者向け / ブレンドガイド
ラベンダーティーに何が含まれるのか(リナロール・酢酸リナリルなどの精油成分)、食用の真正ラベンダーと観賞用・精油との違い、95℃・3〜4分という淹れ方の目安、1日の杯数、副作用として報告されていることや飲む前に確認したい方を整理しました。
「ラベンダーティーは1日に何杯まで飲めるのか」を調べても、はっきりした数字が出てこないのには理由があります。ハーブティーは食品であり、ビタミンやミネラルのように一日の摂取基準が公的に定められているものではないからです。NCCIHも、食品に使われる程度の量であれば、ラベンダーを口にすることはおそらく安全だろう、という整理にとどめています。
そのうえで、本サイトではラベンダーについて1日1〜2杯程度を目安にしています。レモンバームやカモミールより少なめにしているのは、香りが強く、濃さの影響が出やすいハーブだからです。
見落とされがちですが、同じ1杯でもティースプーン半分・蒸らし3分の一杯と、山盛り・長時間蒸らしの一杯ではまったく別物です。杯数だけを数えるより、濃さも一緒に見てください。
上限の数字が決まっていないぶん、判断のよりどころになるのは自分の体感です。「今日は多かったかもしれない」と思ったときは、次の順で戻していくのが無理がありません。
「たくさん飲むほどよい」という飲みものではありません。おいしく、無理なく続く量が、その人にとっての適量です。
「ラベンダーティーに副作用はあるのか」という疑問には、報告されていることと、分かっていないことを分けて答えるのが誠実です。
ラベンダーティーは日常的に親しまれている飲みものですが、次に当てはまる方は、飲み始める前にかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。
いずれも「飲んではいけない」と断定するものではなく、自己判断で始めないほうがよいという趣旨です。判断できるのは、あなたの状態を把握している専門家だけです。
なお、上記に当てはまらない方にとっては、食品として長く親しまれてきたハーブです。過度に身構える必要はありませんが、お薬を服用中の方は、薬剤師に一言確認してから飲み始めると安心です。
ラベンダーは香りの主張が強いので、少量で香りの「差し色」をつける役として使いやすいハーブです。図鑑で相性がよいとしているのは次の4種です。
| 合わせるハーブ | 仕上がりの方向 |
|---|---|
| 🌼カモミール | りんごのような甘い香りが重なり、まるく穏やかな一杯に。定番の組み合わせです |
| 🍃レモンバーム | レモンのような香りが加わり、花の香りがすっきりまとまります |
| 🌹ローズ | 花の香りが重なり、より華やかに |
| 🌳リンデン | 穏やかな甘い香りで、ラベンダーの強さがやわらぎます |
はじめて試すなら、カモミール2:💜ラベンダー1くらいの比率から。ラベンダーを主役にするより、脇役に回したほうが飲みやすくまとまります。夜のひとときに向く組み合わせはラベンダー×カモミールの夜のブレンドとリラックスタイムのハーブティーブレンドにまとめてあります。
リナロールや酢酸リナリルといった精油成分(香り成分)が含まれます。ラベンダーらしい華やかな花の香りは、主にこれらの成分によるものです。カフェインは含まれません。
NCCIHは、ラベンダーを経口で摂った人の一部に下痢・頭痛・吐き気・げっぷがみられることがあると紹介しています(主に研究で使われた製品についての記載です)。飲んだあとに眠気を覚える方もいるため、運転前は控えめに。鎮静作用のあるお薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、飲む前に医師・薬剤師にご相談ください。
ハーブティーは食品であり、医薬品のような効能をうたうものではありません。事実として言えるのは、花に精油成分が含まれること、ヨーロッパで入浴や香りづけなど香りを楽しむ植物として親しまれてきたこと、夕方以降のくつろぎの時間に選ばれてきたことです。
そのままは当てはまりません。NCCIHやeJIMの解説でも、研究で扱われているのは主に精油のカプセルやアロマテラピー(香りの吸入)です。ティーとして飲む場合の結果を示すものではない点に注意してください。
おすすめしません。ティーには「食用」「ティー用」と明記された真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)を選んでください。観賞用のフレンチラベンダーやラバンジン、品種の分からない株、香りづけ加工されたポプリは飲用に向きません。
避けてください。精油は香りの成分を高濃度に取り出したもので、ティーとは別物です。飲みものの香りづけには、食用のドライラベンダーを使ってください。
公的な摂取基準はありません。本サイトでは、香りが強く濃さの影響が出やすいハーブであることから、1日1〜2杯程度を目安にしています。杯数だけでなく、茶葉の量と蒸らし時間も控えめにしてください。
NCCIH・eJIMとも、妊娠中・授乳中の安全性については分かっていることが少ないとしています。飲む前に、かかりつけの医師にご相談ください。
茶葉の量を減らし、蒸らしを3分程度に短くしてみてください。それでも気になる場合は、カモミールやレモンバームとブレンドするか、はちみつやミルクを加えると穏やかになります。
ラベンダーティーについて、確かに言えることを整理しました。
次の一歩としては、味わいや淹れ方のアレンジを知りたいならラベンダーティーの淹れ方と楽しみ方、カモミールと迷っているならカモミールとラベンダーの違いへ。同じ型で成分と注意点を整理したレモンバームティーとはもあわせてどうぞ。ハーブそのものの基本情報は💜ラベンダーの図鑑ページにまとめてあります。
自分に合うハーブの傾向から選びたい方は体質診断を受けてみるところから、ほかのハーブも幅広く見比べたい方は122種のハーブ図鑑から始めてみてください。
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本文で触れた成分名と伝統的な使われ方は、上記の情報に記載されている範囲を引いたものです。特定の効能を示す臨床データとして挙げているものではありません。
なお、ハーブティーは食品であり医薬品ではありません。体調に不安がある場合、通院中・服薬中の場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
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ハーブティーブレンド完全ガイドを見る →ラベンダーティーについて調べると、ハーブそのものが体に何かをしてくれるかのような書き方をよく見かけます。ただ、ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。このページでも、医薬品のような効能をうたうことはしません。
先に結論を書いておきます。ラベンダーティーは、味よりも香りを楽しむための一杯です。そして、ラベンダーについて語られる話の多くは「精油(エッセンシャルオイル)」や「香りを吸い込む使い方」の話で、ティーとして飲む場合とは同じではありません。この区別が、ラベンダーを理解するうえでいちばん大切なポイントです。
そのうえで、事実として確かめられることだけを、次の4点に整理しました。
| 知りたいこと | このページで扱う内容 |
|---|---|
| 何が入っているのか | 💜ラベンダーの花に含まれる成分(リナロール、酢酸リナリルなど) |
| どれを選べばよいのか | 食用の真正ラベンダーと、観賞用・精油用との違い |
| どう淹れて、どのくらい飲むのか | 95℃・3〜4分という目安と、1日の杯数 |
| 誰が気をつけるべきか | 副作用として報告されていることと、飲む前に医師・薬剤師に確認したい方 |
ラベンダーティーの味わいやプロヴァンスの歴史、アイスや水出しの楽しみ方はラベンダーティーの淹れ方と楽しみ方にまとめてあります。このページは「成分」と「注意点」に絞って扱います。
💜ラベンダー(学名 Lavandula angustifolia)は、地中海沿岸原産のシソ科の植物です。ティーに使うのは花穂で、開花前のものを乾燥させて用います。そこには次のような成分が含まれています。
| 成分グループ | 主なもの | どんなものか |
|---|---|---|
| 精油(香り成分) | リナロール、酢酸リナリル | ラベンダーらしい華やかな花の香りのもとになる、揮発しやすい成分 |
| カフェイン | 含まれない | 夕方以降の時間帯にも選ばれる理由 |
ラベンダーの香りを特徴づけているのが、リナロールと酢酸リナリルという2つの精油成分です。ティーの一杯から立ちのぼる香りも、ラベンダー畑の香りも、主にこの成分によるものです。
揮発しやすい成分が主役であることは、淹れ方に直結します。蒸らすときにふたをするのはこのためです。一方で、香りが強く出やすいハーブでもあるので、量を入れすぎると石鹸のような香りや苦みが前に出てしまいます。後述する「少なめから始める」という淹れ方のコツは、この性質から来ています。
ラベンダーティーは茶葉(チャノキ)ではなく花から淹れるため、カフェインを含みません。緑茶や紅茶、コーヒーと違い、夕方から夜にかけての一杯としても選びやすい飲みものです。カフェインを避けたい方の飲みもの選び全般は、カフェインフリーのお茶完全ガイドで他のハーブとあわせて紹介しています。
ラベンダーは、ハーブのなかでは研究の蓄積が比較的多い植物です。ただし、米国の国立補完統合衛生センター(NCCIH)や、その情報を日本語で紹介している厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)の解説を読むと、研究で扱われているのは主に精油を使ったカプセルや、香りを吸い込むアロマテラピーです。そのうえで、効果について明確な結論を出せるだけの質の高い研究はまだ限られている、と整理されています。
つまり「ラベンダーの研究がある」という話は、そのまま「ラベンダーティーを飲むと同じことが起こる」という意味にはなりません。ティーとして飲む場合は、香りを楽しむ食品として付き合うのが正直な位置づけです。
ラベンダーは、ハーブティーのなかでも選び方に注意が要るハーブです。「💜ラベンダー」と名のつくものには、飲むことを前提にしていない製品も多く出回っているからです。
| ティー・食用に向くもの | ティーに使わないもの | |
|---|---|---|
| 種類 | 真正ラベンダー(イングリッシュラベンダー/Lavandula angustifolia) | 観賞用のフレンチラベンダー、ラバンジンなど |
| 表示 | 「食用」「ティー用」「ハーブティー」と明記されたもの | 表示のないポプリ、ドライフラワー、園芸用の株 |
| 形態 | 乾燥させた花穂(ドライハーブ) | 精油(エッセンシャルオイル) |
特に気をつけたいのが次の2点です。
購入するときは、パッケージに「食用」「ティー用」と書かれているかをまず確認してください。
ラベンダーティーの味は、華やかなフローラルの香りが立ち、口に含むとほんのりほろ苦いのが基本線です。香りの印象が強いぶん、好みが分かれやすいハーブでもあります。濃く淹れると香りが石鹸や香水のように感じられることがあり、「ラベンダーティーは苦手」という声の多くはここから来ています。
苦手に感じたときに動かせるのは3か所です。
はちみつを少し加えると香りに丸みが出ます。温めたミルクで淹れるラベンダーミルクティーも、香りが穏やかになり、初めての方にも飲みやすい一杯です。
ラベンダーで押さえるべきは、量を控えめにするという一点です。香りが強く出るハーブなので、ほかのハーブと同じ感覚で山盛りにすると、苦みと強すぎる香りでバランスが崩れます。本サイトの図鑑では、次の分量を目安にしています。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 湯温 | 95℃ |
| 茶葉 | ティースプーン軽め1杯(初めてなら半分程度から) |
| お湯の量 | 200ml |
| 蒸らし時間 | 3〜4分 |
蒸らしている間は、カップやポットにふたをすると香りが逃げにくくなります。アイスにしたい場合は、濃いめに抽出して氷で一気に冷やすと香りが飛びにくくなります。ティー以外の使い方、たとえばラベンダーシュガーや焼き菓子への香りづけ、育て方や保存のコツまで知りたい方は、ラベンダー完全ガイドにまとめてあります。
ラベンダーが何のための植物だったのかは、名前の由来を見るのが早道です。学名の Lavandula は、ラテン語で「洗う」を意味する言葉に由来するといわれ、古代ローマでは入浴の際に用いられていたと伝えられています。
その後もヨーロッパでは、修道院や農家の庭で栽培され、入浴やリネンの香りづけ、ポプリなど、暮らしのなかで香りを楽しむ植物として親しまれてきました。飲みものとしても、焼き菓子や砂糖漬けの香りづけと同じく、香りを味わうために使われてきた歴史があります。
こうした背景を踏まえると、「ラベンダーティーは何のために飲むのか」という問いへの、いちばん正直な答えが見えてきます。夕方から就寝前のくつろぎの時間に、香りを楽しむために選ばれてきた一杯、というのが伝統的な立ち位置です。
なお、欧州医薬品庁(EMA)のハーブ医薬品委員会(HMPC)は、ラベンダーの花(Lavandulae flos)について評価報告書とモノグラフをまとめています。これはEUで医薬品として扱う場合の評価文書であり、日本で食品として売られているラベンダーティーの効能を示すものではありません。