初心者向け / ブレンドガイド
レモンバームティーに何が含まれるのか(シトロネラールなどの精油成分・ロスマリン酸)、レモングラスとの違い、味わい、90℃5分という淹れ方の目安、1日の杯数、甲状腺に関する注意など飲む前に確認したいことを整理しました。
「レモンバームは1日にどれくらい飲めるのか」を調べても、はっきりした数字が出てこないのには理由があります。ハーブティーは食品であり、ビタミンやミネラルのように一日の摂取基準が公的に定められているものではないからです。「ここまでなら安全、ここを超えると危険」という線が引かれているわけではありません。
そのうえで、無理なく続けられる範囲として、本サイトでは1日2〜3杯程度を目安にしています。1杯あたりの淹れ方は前述の表のとおりです。
見落とされがちですが、同じ2杯でも蒸らし3分の一杯と7分の一杯ではまったく別物です。杯数だけを数えるより、濃さも一緒に見てください。
上限の数字が決まっていないぶん、判断のよりどころになるのは自分の体感です。「今日は多かったかもしれない」と思ったときは、次の順で戻していくのが無理がありません。
「たくさん飲むほどよい」という飲みものではありません。おいしく、無理なく続く量が、その人にとっての適量です。
レモンバームは日常的に親しまれている飲みものですが、次に当てはまる方は、飲み始める前にかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。
いずれも「飲んではいけない」と断定するものではなく、自己判断で始めないほうがよいという趣旨です。判断できるのは、あなたの状態を把握している専門家だけです。
なお、上記に当てはまらない方にとっては、日常的に親しまれてきたハーブです。過度に身構える必要はありませんが、甲状腺の項目だけは例外として、心当たりのある方は必ず確認してから飲み始めてください。
レモンバームは香りの主張が穏やかなので、全体をまろやかにまとめる役として使いやすいハーブです。図鑑で相性がよいとしているのは次の4種です。
| 合わせるハーブ | 仕上がりの方向 |
|---|---|
| 🌼カモミール | りんごのような甘い香りが重なり、まるく穏やかな一杯に |
| 💜ラベンダー | 花の香りが加わる。ラベンダーは少量で十分効きます |
| 🌿ペパーミント | 清涼感が足される。すっきり飲みたいときに |
| 🌺パッションフラワー | 味の主張が弱いハーブなので、レモンバームの香りが前に出ます |
はじめて試すなら、🍃レモンバーム2:もう1種1くらいの比率から。レモンバームを多めにするとまろやかにまとまります。夜のひとときに向くブレンドの組み立て方はリラックスタイムのハーブティーブレンドにまとめてあります。
レモンバームは非常に丈夫で、ハーブ栽培の入門としてよく挙げられます。育てた葉をそのままティーにできるのも魅力です。
ひとつだけ注意があります。繁殖力が強いハーブなので、庭に地植えすると想定以上に広がることがあります。プランター栽培のほうが扱いやすく、ベランダでも十分に収穫できます。
シトロネラールを中心とした精油成分(香り成分)と、ロスマリン酸をはじめとするポリフェノール類が含まれます。カフェインは含まれません。レモンのような甘い香りは、主に精油成分によるものです。
注意点として広く知られているのは甲状腺に関することです。レモンバームは甲状腺機能に影響を与える可能性が指摘されているため、甲状腺の持病がある方・治療中の方は、飲む前に必ず医師にご相談ください。それ以外の方にとっては日常的に親しまれているハーブですが、妊娠中・授乳中の方、お薬を服用中の方は、事前に医師・薬剤師への確認をおすすめします。
別の植物です。レモンバームはシソ科(ミントの仲間)でヨーロッパ原産、丸みを帯びた葉。レモングラスはイネ科で東南アジア原産、細長いススキ状の葉です。香りの成分も異なり、レモンバームはシトロネラールで甘くまろやか、レモングラスはシトラールでシャープな印象になります。
レモンのような爽やかな香りが立ち、口に含むとやさしい甘みが残ります。名前から想像されるほど酸っぱくはありません。渋みやクセはほとんどなく、すっきりとした飲み口です。
熱湯を使わないことです。90℃くらいのお湯を200ml、ティースプーン山盛り1杯の茶葉に注ぎ、ふたをして5分蒸らします。香りの成分が揮発しやすいため、沸騰したての湯を勢いよく注ぐと香りが飛びやすくなります。
カフェインを含まないため、日常的に飲まれているハーブティーです。本サイトでは1日2〜3杯を目安として紹介しています。ただし、いつもと違う感覚があるときは量を減らすか、その日は控えてください。持病のある方やお薬を服用中の方は、続ける前に医師・薬剤師にご相談ください。
含まれていません。チャノキの葉ではなくレモンバームの葉から淹れるハーブティーのため、カフェインフリーです。
生の葉のほうが繊細で豊かな香りを楽しめます。ただしドライでも十分においしく、長期保存に向くので、常備するならドライが扱いやすいです。手に入るほうで構いません。
同じです。メリッサはレモンバームのヨーロッパでの呼び名で、学名 Melissa officinalis に由来します。ギリシャ語で「ミツバチ」を意味する言葉です。
レモンバームティーについて、確かに言えることを整理しました。
次の一歩としては、レモングラスとの取り違えが気になるならレモンバームとレモングラスの違い、ブレンドを組みたいならリラックスタイムのハーブティーブレンドへ。ハーブそのものの基本情報は🍃レモンバームの図鑑ページにまとめてあります。
自分に合うハーブの傾向から選びたい方は体質診断を受けてみるところから、ほかのハーブも幅広く見比べたい方は122種のハーブ図鑑から始めてみてください。
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本文で触れた成分名と伝統的な使われ方は、上記のページに記載している範囲をそのまま引いたものです。特定の効能を示す臨床データとして挙げているものではありません。
なお、ハーブティーは食品であり医薬品ではありません。体調に不安がある場合、通院中・服薬中の場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
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ハーブティーブレンド完全ガイドを見る →レモンバームについて調べると、ハーブそのものが人に何かをしてくれるかのような書き方をよく見かけます。ただ、ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。このページでも、医薬品のような効能をうたうことはしません。
先に結論を書いておきます。レモンバームは、名前に「レモン」とついていますがレモンの仲間ではありません。シソ科の植物、つまりミントの仲間です。レモンを思わせる香りをもつ精油成分を含んでいるために、そう呼ばれています。
そのうえで、事実として確かめられることだけを、次の4点に整理しました。
| 知りたいこと | このページで扱う内容 |
|---|---|
| 何が入っているのか | 🍃レモンバームの葉に含まれる成分(シトロネラール、ロスマリン酸など) |
| どう淹れるものか | 湯温90℃・5分という目安と、熱湯を避ける理由 |
| どのくらい飲むものか | 1日の杯数と濃さの目安、多かったと思ったときの戻し方 |
| 誰が気をつけるべきか | 飲む前に医師・薬剤師に確認したい方(甲状腺に関する注意を含みます) |
名前の似た「🍋レモングラス」と取り違えて買ってしまう人が多いハーブでもあるので、その見分け方も途中で扱います。
🍃レモンバーム(学名 Melissa officinalis)は、ヨーロッパ原産のシソ科の多年草です。ティーに使うのは葉で、そこには次のような成分が含まれています。
| 成分グループ | 主なもの | どんなものか |
|---|---|---|
| 精油(香り成分) | シトロネラールなど | レモンを思わせる甘くまろやかな香りのもとになる、揮発しやすい成分 |
| ポリフェノール類 | ロスマリン酸など | シソ科の植物に広く含まれるグループ。レモンバームの葉にも含まれます |
| カフェイン | 含まれない | 時間帯を選ばずに飲める理由 |
レモンバームの香りを特徴づけているのがシトロネラールという精油成分です。同じ「レモンの香り」でも、レモングラスの香りの中心にあるシトラールとは別の成分で、こちらのほうが甘くまろやかな印象になります。
この香り成分が揮発しやすいことは、淹れ方に直結します。後述しますが、レモンバームで熱湯を避けるのはこのためです。
レモンバームティーは茶葉(チャノキ)ではなくハーブの葉から淹れるため、カフェインを含みません。緑茶や紅茶、コーヒーと違い、一日の合計量を気にせずに選べます。カフェインを避けたい方の飲みもの選び全般は、カフェインフリーのお茶完全ガイドで他のハーブとあわせて紹介しています。
ヨーロッパでは、レモンバームは「メリッサ」の名でも親しまれてきました。ギリシャ語で「ミツバチ」を意味する言葉です。ハーブティーの商品名や成分表示が「メリッサ」になっていることもありますが、指しているものは同じ Melissa officinalis です。
レモンバームを検索する人が最もつまずくのが、レモングラスとの取り違えです。名前も香りの方向も近いのですが、植物としてはまったくの別物です。
| 🍃レモンバーム | 🍋レモングラス | |
|---|---|---|
| 科名 | シソ科(Melissa officinalis) | イネ科(Cymbopogon citratus) |
| 原産 | ヨーロッパ | 東南アジア |
| 香りの成分 | シトロネラールが中心。甘くまろやか | シトラールが中心。シャープ |
| 葉のかたち | 丸みを帯びた、ミントに似た葉 | 細長いススキ状の葉 |
| 乾燥茶葉の見た目 | 細かい砕葉状 | 細い棒状 |
手元の茶葉がどちらか分からなくなったときは、細かく砕けた葉ならレモンバーム、細い棒状ならレモングラスと見分けられます。両者の味・淹れ方・ブレンドでの役割まで並べた比較はレモンバームとレモングラスの違いに、レモンバーベナも含めた3種の選び分けはレモン系ハーブティーの違いにまとめてあります。
レモンバームティーの味は、レモンのような爽やかな香りが立ち、口に含むとやさしい甘みが残るのが基本線です。酸っぱいわけではありません。香りがレモンなので酸味を想像して飲むと、その穏やかさに拍子抜けする人もいます。渋みやクセはほとんどなく、ハーブティーを飲み慣れていない方でも入りやすい味です。
味が薄い、香りが弱いと感じたときに動かせるのは3か所です。
はちみつとの相性がよいハーブでもあります。少量加えると穏やかな甘みが足され、香りの輪郭はそのまま残ります。
レモンバームで押さえるべきは、熱湯を注がないという一点です。香りの主役であるシトロネラールは揮発しやすく、100℃の湯を勢いよく注ぐと、いちばん飲みたかった香りが湯気と一緒に逃げてしまいます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 湯温 | 90℃(沸騰後、少し置いてから) |
| 茶葉 | ティースプーン山盛り1杯 |
| お湯の量 | 200ml |
| 蒸らし時間 | 5分 |
蒸らしている間は、カップやポットにふたをするとさらに香りが残ります。細かいことのようですが、揮発しやすい成分が主役のハーブでは、この一手間の差が大きく出ます。
生の葉が手に入るなら、乾燥葉よりも繊細で豊かな香りが楽しめます。一方、ドライは長期保存に向くので、常備するならこちら。どちらが正解ということはなく、手に入るほうで構いません。アイスティーにしても爽やかに飲めます。
レモンバームが何のための飲みものかは、置かれてきた場所を見るのが早道です。ヨーロッパの伝統的なハーブの使い方のなかで、レモンバームは気持ちが張り詰めたときのお茶として広く用いられてきました。気ぜわしい一日のひと休みに、古くから人の手元に置かれてきたハーブです。
もうひとつ、ヨーロッパでは「学者のハーブ」という呼ばれ方もしてきました。机に向かう時間のかたわらに置かれてきた、という歴史の名残です。
こうした背景を踏まえると、「レモンバームティーは何のために飲むのか」という問いへの、いちばん正直な答えが見えてきます。ひと息つく場面に選ばれてきた飲みもの、というのが伝統的な立ち位置です。ハーブが人に何かをしてくれるから飲む、という関係ではありません。