ナスタチウムは、鮮やかなオレンジや黄色の花を咲かせる美しいハーブです。観賞用として庭を彩るだけでなく、辛み成分を含んだ葉や花を料理に活用できることが特徴です。ナスタチウムは初心者でも育てやすく、ベランダのプランターでも育成が可能です。この記事では、ナスタチウムの育て方から効能、料理への活用法まで、ナスタチウムに関するすべてを詳しく解説します。
| 和名 | ナスタチウム(キンレンカ) |
| 英名 | Nasturtium |
| 学名 | Tropaeolum majus |
| 科名・属名 | ノウゼンハレン科 トロパエオルム属 |
| 原産地 | ペルーなどの南米 |
| 草丈 | 20〜100cm(品種による) |
| 利用部位 | 葉、花、つぼみ、種子 |
| 香りの特徴 | わずかに辛みがあり、さっぱりとした香り |
| 主な用途 | 料理、ガーデニング、サラダ、アロマ |
ナスタチウムはノウゼンハレン科に属する一年草で、南米原産のハーブです。英名の「Nasturtium」は「鼻をねじる」という意味のラテン語に由来し、ナスタチウムの辛さが由来とされています。ナスタチウムの最大の魅力は、美しい花と食べられる葉が同時に楽しめる点です。ガーデニング初心者からベテランまで、多くの人に愛されている植物です。
ナスタチウムは16世紀にスペイン人によってペルーからヨーロッパにもたらされました。当初は観賞用として庭園に植えられていましたが、やがてその鮮やかな花と辛み成分を含む葉が料理に活用されるようになったと伝えられています。
ヨーロッパではビクトリア朝の時代、ナスタチウムは高級な食卓を彩る装飾的な食材として重宝されました。花びらをサラダに散らしたり、つぼみを漬物にしたりする食文化が発展しました。特にフランス料理やイタリア料理では、ナスタチウムの花を前菜やデザートの装飾に用いることが一般的です。
アイルランドやイギリスでは民間療法として、ナスタチウムが免疫サポートに用いられてきた歴史があります。現代でも、その栄養価と独特の風味から、ナスタチウムは高級レストランや自然派志向の食卓で人気が高まっています。
ナスタチウムは日当たりの良い場所を好みます。最低でも1日6時間以上の直射日光が必要です。ナスタチウムの生育適温は15〜25℃で、夏の高温が苦手な傾向があります。秋から春にかけては屋外でも問題ありませんが、夏場は半日陰や風通しの良い場所に移すことをおすすめします。
耐寒性はやや弱く、氷点下での生育は難しいため、一年草として扱うのが一般的です。ナスタチウムは室内での栽培も可能ですが、室内の場合は窓辺の明るい場所に置き、定期的に光を当てることが大切です。
ナスタチウムは比較的どんな土でも育ちやすいハーブです。市販のハーブ用土、または一般的な園芸用培養土を使用できます。ナスタチウムの栽培では、水はけの良さが重要です。鉢底には軽石を敷いて水はけを確保してください。
水やりはナスタチウムの土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。ただし、過湿は根腐れの原因になるため注意が必要です。特に梅雨時期と秋雨時期は、水やり頻度を減らしてナスタチウムの根が常に湿った状態にならないようにします。冬場は水やり頻度を減らし、土の乾きが早い時期に1週間に1回程度が目安です。
ナスタチウムの種まきは4月下旬から5月中旬が最適です。ナスタチウムの種は比較的大きく発芽しやすいため、初心者にも種からの栽培をおすすめします。種は市販のハーブ用培養土に1cm程度の深さで埋め、水をかけて管理します。
ナスタチウムは発芽温度が20℃前後必要なため、春の暖かい時期を選んでください。発芽までは通常1週間から2週間かかります。ナスタチウムの苗を購入する場合は、ホームセンターの春から初夏の時期に入手できます。苗植え付けは5月から6月中旬が目安です。
プランター栽培の場合、ナスタチウムは1株あたり直径20cm程度のポットが目安となります。ベランダ菜園では、複数株を一つの大きなプランターに植えることも可能ですが、ナスタチウムはつるが伸びやすいため、株間を20cm以上確保してください。
ナスタチウムの葉は、植え付けから約4週間後から随時収穫できます。ナスタチウムは若い葉ほど柔らかく食べやすいため、先端から10cm程度の新しい葉を摘み取るのがおすすめです。定期的に摘み取ることで、ナスタチウムはより多くの側枝を伸ばし、収穫量が増えます。
花は咲いたばかりの新鮮な状態で収穫するのが最適です。つぼみはナスタチウムのつぼみが緑色のうちに摘み取ります。ナスタチウムのつぼみは漬物にすると、独特の風味が引き立ちます。種子は熟してから収穫し、塩漬けにするなどして活用できます。
ナスタチウムの初心者がよくやりがちな失敗の一つが、「水の与えすぎ」です。ナスタチウムは湿った土を嫌う傾向があるため、過湿で根腐れを起こすことが多いです。対策として、土が十分に乾いてから水をやるよう心がけ、毎日水やりをしないことが大切です。
二つ目の失敗は「光不足」です。ナスタチウムが徒長(茎がひょろひょろに伸びる)したり、葉が小さくなったりする場合は、光が不足している可能性があります。より日当たりの良い場所に移動させることで改善します。
三つ目の失敗は「夏の高温障害」です。ナスタチウムは真夏の暑さで弱ることがあります。7月から8月は遮光カーテンなどで30%程度の日光を遮り、風通しの良い場所に置くことで対策できます。
ナスタチウムは豊富なビタミンCを含むハーブで、免疫サポートが期待されています。また、硫黄を含む辛み成分(グルコシノレート)が特徴的で、この成分が各種の活性化に関与すると言われています。
ナスタチウムティーとして飲む場合、ビタミンCと各種ミネラルの補給に役立つと伝えられています。ナスタチウムの花と葉をティーにすることで、体を温める作用が期待されているという民間療法の記録があります。
アロマセラピーでは、ナスタチウムのエッセンシャルオイルが気分を高揚させるのに役立つと言われています。ナスタチウムは伝統的に呼吸器系の健康維持に用いられてきた背景もあります。
※効能には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、持病のある方、服薬中の方は、ご利用前に医師にご相談ください。
ナスタチウムのハーブティーは、ナスタチウムの新鮮な葉と花を使うのがおすすめです。ナスタチウムティーの基本的な淹れ方は、ティーカップにナスタチウムの葉3〜5枚と花1〜2輪、熱湯150mlを注ぎ、3〜5分蒸らします。ナスタチウムは強い香りを持つため、浅く蒸らすほうが飲みやすくなります。
ナスタチウムはレモンバーベナやミント、カモミールとのブレンドが相性抜群です。ナスタチウムとミントを2:1の比率でブレンドすると、さっぱりとした爽やかなティーになります。ナスタチウムにハチミツを加えることで、ナスタチウムの辛さが和らぎ、飲みやすくなります。
ホットのナスタチウムティーは目覚めの一杯としておすすめです。アイスティーとして楽しむ場合は、ナスタチウムのティーを冷ましてから冷蔵庫で冷やし、氷を入れるだけです。ナスタチウムのアイスティーに市販のジンジャーシロップを加えると、夏にぴったりな爽快感のあるドリンクになります。
ナスタチウムは多くの食材との相性が良いハーブです。相性の良い食材として、トマト、モッツァレラチーズ、アボカド、レモン、鶏肉が挙げられます。ナスタチウムはクリーミーなチーズとも合い、サラダに加えると爽やかさが引き立ちます。
定番の使い方としては、ナスタチウムの葉と花を生のままサラダに加える方法があります。ナスタチウムはサラダの上に散らすだけで、見た目の華やかさと独特の辛み風味が加わります。ナスタチウムの花びらだけを取って利用すると、より繊細な見た目になります。ナスタチウムのつぼみを塩漬けにすることで、保存できます。
簡単に試せるレシピアイデアとしては、以下をおすすめします。冷たいスープにナスタチウムの葉をちぎって浮かべるだけで、涼しさが感じられます。また、ナスタチウムのバター和えは、温かいパスタにナスタチウムの葉を混ぜ、バターとレモン汁を加えるだけで完成です。ナスタチウムのクリームチーズ混ぜは、クリームチーズにみじん切りにしたナスタチウムを混ぜ、サンドイッチに塗るだけで、特別な味わいになります。
ナスタチウムは食用だけでなく、アロマテラピーでも利用できます。ナスタチウムをドライにしてポプリとして楽しむことで、部屋に爽やかな香りを漂わせることができます。ナスタチウムの花をハーバリウムに加えることで、美しいインテリアになります。
スキンケアでは、ナスタチウムのエッセンシャルオイルが肌のコンディショニングに役立つと言われています。ナスタチウムを浮かべたバスソルトは、バスタイムをリフレッシュします。
Sharecipeaでの活用:
Sharecipeaではナスタチウムを使ったレシピを多数掲載しています。→ ナスタチウムのレシピ一覧
ナスタチウムの基本情報・淹れ方はこちら → ナスタチウムの図鑑ページ
ナスタチウムのフレッシュな葉は、冷蔵庫の野菜室に湿らせたキッチンペーパーで包んで保存すると、1週間程度日持ちします。ナスタチウムは湿度を好みますが、水滴が付きすぎると傷みやすいため注意が必要です。
ナスタチウムをドライハーブにする場合は、葉を丁寧に洗ってから水気を切り、風通しの良い暗い場所に1〜2週間吊るして乾燥させます。ナスタチウムのドライハーブは冷暗所の密閉容器に保管すると、3ヶ月から6ヶ月保存できます。
冷凍保存も可能です。ナスタチウムの葉をみじん切りにしてから、製氷皿に入れ、水を注いで冷凍すると、ナスタチウム氷が完成します。ナスタチウム氷はスープやドリンクに加えるだけで、新鮮な風味が蘇ります。
市販のドライナスタチウムを選ぶ際は、色が鮮やかで、香りが強く残っているものを選ぶのがポイントです。ナスタチウムの香りが薄い場合は、古い可能性があります。
ナスタチウムは、美しい花と食べられる葉を同時に楽しめるハーブです。ナスタチウムの育て方は比較的簡単で、初心者でも失敗しにくい植物です。ナスタチウムをベランダのプランターで育てることで、毎日新鮮な葉と花を料理に活用できます。
ナスタチウムの独特の辛み風味は、様々な料理とハーバルティーを引き立てます。ナスタチウムから始めるハーブ生活は、きっと食卓と庭を彩るでしょう。まずは1株育ててみてはいかがでしょうか。
ハーブティー専門YouTubeチャンネル(登録者2.7万人・動画967本)の企画・撮影・編集・運用を6年間担当した経験をもとに、122種のハーブデータベースとオリジナルブレンドレシピを発信しています。
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